自分でFCZコイルを巻いてみる
サトー電気の鼓7s、10s 小大コイルをそれぞれ10個ずつ、購入してみた。
http://www.maroon.dti.ne.jp/satodenki/l.html#l-top
今回はCS-40Vで利用するため、7sボビンのほうに、コイルを巻いていく。
まず、リファレンスとなるDIY-7の一次側、二次側それぞれの巻き数とインダクタンスをNANO VNAで測定。
DIY-7(7MHz)
一次側 : 4T 210nH~350nH
二次側 : 7T+7T 2.08μH~4.01μH
このような結果となった。
これと同じように、鼓7sボビンに同じ回数で巻くと、下記の結果となった。
一次側 : 4T 150nH~256nH
二次側 : 7T+7T 1.8μH~2.95μH
インダクタンスが少し足りていないようだ。
そこで、一次側 、二次側とも一回ずつ、巻き数を増やしてみたところ、下記の結果となった。
一次側 : 5T 223nH~450nH
二次側 : 8T×2 2.3μH~4.6μH
DIY-7に近い値となった。
サトー電気の鼓7sボビンに、1次側5ターン、2次側16ターンで、DIY-7のインダクタンスと大体同じ値になることがわかった。
整理されたものではなく恐縮だが、巻き方、測定値の参考に、メモの写真を、添付しておく。
実際にこのように、巻いていったものを、CS-40Vでも利用していて、使用感に何の問題ない。
JARLのサイトにFCZコイルデータシートというものがある。これを参考にしてもよいだろう。
https://www.jarl.org/Japanese/7_Technical/lib1/fcz.htm
自分でコイルを巻くと一個100円弱で製作できるので、完成品のFCZコイルは200円~400円することを考えると経済的である。
また、自分でコイルを巻くとFCZコイルの中身がブラックボックスではなくなり、それにより巻き数の調整でコイルのインダクタンスをチューニングできる点も大きな利点である。
(2023/4/30 追記)10Sボビンの場合
今度は鼓10Sボビンの方を巻いてみた。
まずはお手本のFCZコイルの巻き数とインダクタンスを計測。
7MHz用のものが、一次側4T(320nH〜350nH)、二次側6T+6T
9MHz用のものが、一次側3T(180nH〜250nH)、二次側6T+6T(1.5μH〜2.8μH)
となっていた。
鼓10Sボビンの場合、
7MHz用のものが、一次側4T(320nH〜350nH)、二次側7T+7T(1.6μH〜1.98μH)
9MHz用のものが、一次側3T、二次側6T+6T
で概ねお手本と同じインダクタンスになることがわかった。