第二級アマチュア無線技士・受験体験記
去る4月9日、第二級アマチュア無線技士の試験を東京・晴海の江間忠ビルにある日本無線協会で受けてきました。
受験票について確認したいことがあり、どれくらいかかるかわからなかったため、早朝出発し、現地に着いたのが7:30。
到着時、江間忠ビルは、こんな感じで、さすがにまだシャッターが開いていませんでした。
受験票の問題がちゃんと解消するのか心配で、気持ちがそわそわした状態の中、少し参考書や問題集を眺めていました。
この待ち時間にも少し勉強できたのが大きかったのでその意味でも早く出たのは良かったです。
さすがに私が一番最初に到着しましたが、程なく二番、三番乗りの受験者のかたが到着。みんな早くこられるのだなぁという印象を持ちました。
8時ころ、シャッターが開いたころには、5人くらいすでに現地入りされてました。
シャッターが開いてすぐ、スタッフさんを捕まえて、受験票について問い合わせ。
問題なく受験ができることを確認しました。
一安心し、案内された2号室へ。まだ試験開始まで1時間半あるので、たっぷりと最後の勉強ができました。この一時間半の勉強で10点~20点くらい得点が底上げされました。
今回は受験票の問題があり早めにでましたが、普段はギリギリになってしまいがち。
早めに試験会場に行くのは良い選択かもしれません。
心に余裕をもって試験に臨めるし、最後の追い込み勉強もできるし、で良いことずくめです。
受験票の問題は係の人が対応してくれてクリア。ここでようやくひと安心です。
受験票は早い段階でプリントアウトしておくことをおすすめします。
いよいよ試験ですが、その前に、これまで、どんな対策をしたか?書いてみます。
一言でいうと、「参考書を読み、問題集を一周した」ということが言えそうです。もちろんそれだけではないですが、問題集は、一周後また半分くらいは解きましたが、二周はしてないですし、使った本は二冊だけです。
詳細は以下の通り。
2022年3月11日 問題集「第二級アマチュア無線技士試験問題集 第2集」を購入。
2022年11月25日 参考書「新・上級ハムになる本」を購入。音声教材製作と内容のインプットを兼ね、書籍の内容の音読をスマホのボイスメモに録音開始。
2023年1月22日 計画的に学習を開始。問題集での問題を一日6問ずつ解いて、420問を4月2日までに終わらせる計画を立てる。進捗は、Googleのスプレッドシートで進捗管理。
2023年3月21日 問題集「第二級アマチュア無線技士試験問題集 第2集」全問解答完了。計画より12日早く完了。以後、本番まで足りないところを重点的に解いてみるなどの対策を行った。
以上です。
問題集は、kindle版を買いましたが、紙とどっちがいいかは、とても微妙なところです。両方買うのが一番いいのですが、どちらかといえばやはり電子がいいと思います。
理由は、いつでも開ける。普段持ち歩いているスマートフォンに入っているので、スキマ時間を有効活用できます。これがやはり大きい。ちょっと、この利点なしでは、合格点までもっていけたか?とても怪しいです。
一方、デメリットとしては、書き込みができない、目が疲れる、目的のページを探すのが難しい、デバイスの電池が切れると読めない、といったものになります。
今度、もし1アマを受ける、となった場合、どちらを選ぶか?と考えた時、kindle版にすると思います。
あまりじっくり腰を据えて勉強ができないので、スキマ時間に暗記ものを消化する必要があるためです。
さて、このような勉強を行った上で、いざ、試験に臨みます。
9:30から法規の試験ですが、試験の説明のため、9:15には着席する必要があります。
試験についての説明があって、マークシートと試験問題が配られて、時間が来たら、いざ開始。
時計は、日本無線協会の場合、部屋にありますが、念のため持参したほうがいいでしょう。時計がないと、時間配分ができません。
鉛筆またはシャープペンシル、消しゴムが必要です。
定規を出していても特に注意はされませんでしたが、特に使いもしませんでした。
退出可能時間が10:30だったと思いますが、私はこの頃に一通り、問題を解き終えました。
もう一度、二度、見直しをして、次の工学の予習もしたかったので、確か11時過ぎに途中退出しました。
お昼は、隣にコンビニがあるので、そこでサンドイッチを買い、食べました。
そして、工学の勉強をやりました。11時に退出し、13時の試験開始まで、約2時間弱、勉強できました。これは大きい。忘れていたところを思い出すとても有意義な学習時間になりました。
午後の工学も、法規と同様、15分前集合、つまり12:45集合の、13:00開始。
工学は2時間と、午前の法規より30分少ないのですね。あまりわかっておらず、ちょっとうろたえました。
こちらは、13:45から退出が可能でした。私が一通り解き終わったのは、14時くらいだったかと思います。
工学は、勉強で問題集を解いているときから、ケアレスミスが多かったので、最後(15:00)まで見直しを繰り返す、と決めていました。実に、約1時間、5回位見直す時間があったかと思います。
この見直しによって、いくつかの問題は正しい回答になりましたし、オームの法則を始めとする、無線工学について考えるよい機会と考え、何度も解き直しました。
15時、試験の終了時刻です。
当日、2号室の受験者数はだいたいですが20人くらいだったのですが、15時の試験終了時まで残っていたのは私を含め3人だったと思います。
5回も見直しても、そんなに間違いは発見できないので、みなさん、1~2回見直して、途中退出されたのでしょう。
せっかく勝どきまできたので、秋葉原でも寄って帰ろうかとも思ったのですが、意外と疲れており、ストレートに自宅へ。
工学の解答を速報でツィートしてくださった方がいらっしゃり、答え合わせすると、なんとか合格点行ってそうでしたので、法規の方も、ネットなどを漁って、答え合わせをしたところ・・・すごくビミョーなところでした。
このときは、うまくいけば受かるし、だめならまた受けよう、くらいに思っていました。
試験2日後の4/11に、協会のホームページに、解答が公開されました。
ここで答え合わせした結果は、ギリギリ合格圏内。
マークミスが無ければ、合格となる得点でした。
こうなるとすごく楽しくなってきて、10MHz、14MHzへのデビュー計画などを練り始めてとまらなくなってきてしまいました。
これで不合格だったら、立ち直れないな、などと思いつつ。
4月24日、合格発表の日。
自己採点ではギリギリ合格点だったので、大変不安な気持ちで、合格通知にアクセスすると….
合格の二文字が!
嬉しかったですね。
免許用の写真、せっかくなので写真屋さんで撮ってもらおうかしら・・・なんて思ったりしてます。
マイナンバーカードでも部屋で撮った写真を使っていたのに!
以上、2アマ試験体験記でした。
まとめると、
勉強は、まず問題集を一周しよう。二周できればバッチリ。
私はこの一冊しか使っていません。
たった一周?と思われるかも知れませんが、420問あるので一周がやっとだと思います。
また、420問の中には、類似の問題がいくつかあるので、一周すれば、解き方はある程度身につきます。
副読本として「新・上級ハムになる本」も買って読みましたが、必須かというと疑問です。
問題集だけで十分かと思います。
ただ、この本は、受験とは関係なく、無線に関わる知識が網羅的に得られるので、時々ページをめくると、新たな発見がある、あるいは頭が整理される、良い本です。
読んでみて、自分に合っていると思ったら、お手元に置いておくと良いと思います。
あと学習計画はとても大事ですね。
スプレッドシートを活用した学習計画と進捗管理はおすすめ。
私が実際に使ったスプレッドシートは下記です。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1Cm9PWhjfb_jnVS9BDmyawE4jWwnvb0PqhXeatn1UxBc/edit#gid=0
このように、まず問題集の問題番号を一列目に記載します。
次に、受験の一週間前くらいまでに全問終わらせられる量になるよう、問題集の全ての問題数÷日数で均等に配分します。
D列の「進捗ステータス」という列がありますがこれは「学習予定日」ー「実際に学習した日」をいれてます。具体的には、2行目の場合は下記です。
=SUM(B2-C2)
あとはずらっとこれを縦にコピペすれば完了です。
問題を解き終えたらC列に日付を入れます。D列はオンスケなら0、遅れるとマイナス何日、先行してるとプラス何日、というのが出ますので、ペース配分の目安になります。
私は学習開始したばかりの頃に2日遅れたことがあったようですが、その後はペースをあげていき、特に後半の法規は暗記物なので、サクサク進み、最終的には計画より12日早く終えてます。
以上がスプシについて。
仕上げに、できれば過去問をやろう。
私は過去問、やってないのですが、問題集一周だと、ちょっと得点がギリギリすぎたのと、本番の試験の構成に慣れておくことも大事かと思うので記載しました。
ただ、時間はあまる傾向があるので、ペース配分にはそれほどシビアになる必要はないでしょう。
過去問は、日本無線協会のホームページからダウンロードできます。
ここである程度、合格点になるまで繰り返せば、合格ラインまで学習が進んだかの確認になると思います。
勉強のペースとしては、直前の追い込みが大事。3ヶ月同じペースで勉強すると、直前には最初の頃の問題は忘れている。前日を丸一日試験対策に充て、仕上げの過去問3年分をやる、とかが一番効果的。
自戒を込めて書きますが、小さなお子さんがいるお父さん、お母さんなどは、日曜試験の前日の土曜にパパ業を充実させてしまうと、結構ピンチな状況になりますので、前日は、誘惑に負けず、心を鬼にして、最後の詰め込み勉強に集中してください。試験が終わってから、たっぷり子供に愛を注いであげましょう。
本番では、わからない問題は、常識を最大限働かせよう。特に法規なんかは、最初、分からないなぁ、と思って、しばらく経ってからもう一度向き合ってみたら、意外と常識的にみてこれだよな、という選択で、正解したりもした。
見直しは、必ず2回はやろう。
といったところでしょうか。
以下は、終わってみて、第二級アマチュア無線技士の資格試験について思うところ。
無線についての原理の部分から運用に役立つ知識までを得ることができますので、勉強は楽しく進められました。
また合格すれば、許可される範囲も拡大されます。2アマだと空中線電力200W、10MHz,14MHzという遠距離交信に於ける重要な周波数帯の利用も許可される。これはアマ無線を楽しむ上で、大きいと思います。
特に10MHzは昼間は7MHzより混んでいて、活発な様子をみて、自分もこのバンドにQRVしたいとずっと思っていました。そしてそれが、2アマ取得のモチベーションとなっておりました。
このように、勉強中の知識と合格後の可能性の拡大という一石二鳥が得られる点で、とてもいい試験だと思います。
ライセンス取得は、合格の喜びと相まって、無線沼を構成する不可欠な装置ではないかと思います。
一方で、試験の内容については少し改善の余地があるように思えます。
例えば、法規は今のところ、法律の細かいニュアンスを問うような問題が多いのですが、もう少し俯瞰的視点から粒度を下げて問いかける試験にしたほうがいいのではないかと思いました。
具体的には、今回も、非常時に総務大臣が非常通信を命じる事ができる対象が、無線局か、無線従事者か、なんて問がありましたが、法学者などでない限り、その違いが何か問題になるということは無いように思えます。なにしろ非常時ですから、そんなこと気にしてられないと思います。
一方、周波数割り当ての問題は出ませんでした。
アマチュア局がオフバンドで電波を出してしまうのはまずいので、これは必ず問うべき内容なのではないかと思うのです。
工学も、「コーリニアアレーアンテナ」「折返し半波長ダイポール」などあまり耳馴染みのないアンテナについての出題があったり、実用的ではない問いが多い印象をもってしまいましたが、私の知見が乏しいだけなのでしょうか?
いずれにせよ、こうした印象というのは、個人差があるところだとは思いますので、あくまで一つの意見として、記しておきます。
試験問題が実践に使える知識か否かに関わらず、合格しないと、10メガ、14メガに出られないので、つべこべ言わずとにかく最低限の得点を取るという気概が大事です。
思い立ったらまずはとにかく申し込んでしまう!というのが合格に向けた最初にやるべき大事な事です。
2回目で受かれば良い、1回目で受かったらラッキー!くらいな感じで良いかと思います。
モチベーションが上がらない時は、10MHz帯や14MHz帯をワッチしてモチベーションを高めて、頑張って合格点を目指しましょう♪