CRKits CS-40Vの調整方法(初心者向け)

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CS-40Vの製作の最大のヤマ場と言われている送信部の調整。

全ての部品のハンダ付けを終え、チェックもした。いざ電源を入れて、マイクのPTTスイッチを押してしゃべってみても、恐らくたいていの場合、受信機から何も聞こえない、ということになり、非常に不安な気持ちになると思います。しかし、ご安心ください。

全てのハンダ付けに問題が無かったとしても、調整なしには、正しく動作しません。

調整の前に・・・電圧の調査

調整の前に、まずは、電圧の調査、少なくとも電圧に異常なところがないかをつぶしておくだけで一つ切り分けができ、自信をもって調整作業に専念することができます。

公式サイトからダウンロードできるマニュアルに、各部品の電圧の適正値のリストがあります(下記)。

「主要部品の送受信時における電圧」出典:http://jl1kra.sakura.ne.jp/knq7amanual-Japanese-C1.pdf

各部品の電圧を測定し、上記表の期待値と突合し異常個所を探ります。やり方ですが、基板上の任意のGNDをテスタの-に、測定したい部品の足をテスタの+にそれぞれ当てます。GNDはアンテナをつなぐBNCコネクタのGND側が、取りやすいと思います。

例えばファイナルトランジスタIRF510のゲート電圧を測定する場合、下記のようになります。

テスタのプローブを当てる箇所

このようにして、表の電圧値と、実測値を比較して、異常な箇所があればつぶします。

すべての部品における電圧の正常が確認できたら、少なくともハンダ付け異常の懸念は払しょくされたと思います。そうするとあとは調整に全力を傾けられます。

電圧の測定が終わると・・・いよいよ調整です

調整については、五つのコイル、一つの半固定コンデンサ、一つの半固定抵抗、計7か所の調整箇所があります。

初心者がまず途方に暮れてしまうのが恐らく、どの部品をどう回せば、何がどうなるのか?がわからないというところではないでしょうか?

そこのところを、簡単に図でまとめましたので、ご覧ください。

CS-40Vの調整ポイント

調整体験記・・・私の場合

私の場合の実際の調整作業を、体験記風に書いてみました。

送信部のすべてのハンダ付けを終え、やっと完成だ!いざ、マイクのPTTスイッチを押し、BCLラジオで受信できているか、受信部の製作で受信できた周波数範囲7060~7100kHzをダイヤルで探るも、まったく聞こえない・・・・

先述の、各主要部品の電圧の測定を実施。一か所、ファイナルのゲート電圧が期待値よりだいぶ低かったため、半固定抵抗で期待値になるよう調整。それ以外は異常がなかった。

少なくともハンダ付けの不良ではないことがわかり、一つ切り分けができて、そこは安心要素となる。調整を頑張ろうと決意。

最初はやみくもにコイルを動かし、マイクに向かってしゃべる位置などもいろいろ変えるうちに、BCLラジオ側で、CS-40Vからの声が聞こえるポイントを発見!しかし、発生が全てミャーミャー、モゴモゴ音になっており、母音・子音の判別がつかない、状態。とても相手局にコールサインを聞き取ってもらえる電波ではない。

いろいろやっているうちにそこの調整箇所は、上記写真「CS-40Vの調整ポイント」の⑤であることにと気づく。念入りにトリマをマイナスドライバーで調整。やっと、聞き取り可能な音声が電波に乗った!

と喜んだのもつかの間、今度は受信音がモゴモゴ、聞き取り不可能な状態になってしまった。改めて⑤のトリマを受信の明瞭度が最大になる点に調整。

その状態で、送信を行ったところ、こちらの明瞭度も問題なし。良かった。もうこのトリマは動かさないぞ!

あとは上記写真「CS-40Vの調整ポイント」の①、③を、BCLラジオ側で最大音量で聞こえるよう、コイルのコアを念入りに回す。③は、二つコイルが並んでいて、恐らくどちらから調整してもいいが、私は右から調整を開始した。

と、こんな感じです。

⑤のトリマの調整は、送信・受信ともに、明瞭度が上がる点があります。そこを頑張って探してください!

果たして、聞き取り可能な、このキットで最高の出力で、SSBの電波を出すための、調整が完了、というわけです。

とはいえ、上記は自分のわずかな知識で、実際やってみての結果にすぎず、調整結果にも、自信があるわけではないので、あくまで本家Webサイトの膨大な公開情報をご参照いただきたいのと、自分の実機についても、いつかきちんとデモ機との比較などを行う機会があればと思っています。

本稿の終わりに

調整はとにかく、いじっているうちに、ああ、ここをいじると、ここがこう変わるんだな、というのがわかってきて、全部の調整ポイントについてそれがわかるころには、最良の送受信ができる状態になるよう、自在に調整を行えるスキルが身についていると思います。

そのスキルを得ると、調整という作業が大変面白い作業であるということがわかると思います。

自分も自作送信機の製作は4台目くらいという初心者ですが、正直、ここの調整だけは、うまくできず、もうこれは、受信機として使っていこう、と割り切り始めた時もありました。

そんな感じで、受信機として使い、気が向いたときに、送信部の調整、を3回ほど繰り返し、ようやく、コツがつかめた、といったところで、本稿を書きました。

そんな当方としては、ひょっとすると、このキットを求めた方の中には、送信部の調整をあきらめ、「受信機」として使っているという方もいらっしゃるのではないか、などと思ったりしてます。

そういった方が、本稿を参考に、「送信部の調整」という本自作キットの最後の難関を乗り越え、完成の喜びを味わって頂く助けとなれば幸いです。

キットの完成をお祈りしております!

jk1ohm

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